内痔核
初期の症状は排便時に出血があるのみですが、
進行すると痔核が肛門の外に脱出するようになります。
脱出した痔核が戻りにくくなると手術治療が必要となります。

外痔核
肛門周囲に突然血栓（血豆のような塊）ができ、腫れて痛みを伴います。
痛みの強い場合は、切除する必要があります。

治療法
痔の治療の基本は保存療法です。保存療法を行っても出血が多いときや
脱出によって日常生活に支障をきたす場合には、外来処置や手術を行います。

外来処置
①硬化療法
痔核の根元に硬化剤を注射して、痔核を硬化・縮小します。
痔核からの出血を抑える効果があり、効果は半年から1年程度です。
②ゴム輪結紮療法
痔核の根元にゴム輪をかけて徐々に締め付けて痔核を脱落させます。
1～2週間で痔核は取れます。傷も残さず処置できます。

手術治療
結紮切除術　痔核に血液を送っている血管を縛り、痔核を切り取る手術です。

20～40歳台の女性に多い病気です。
硬い便の排出や肛門部の無理な広がりのためによっておこります。
初期では排便時の痛みと少量の出血を認めます。
進行すると傷が深くなり、排便後に長時間痛みが続くようになります。
傷が慢性化して肛門が狭くなると、ますます便が通りにくくなります。
また、傷口から細菌が侵入し、痔ろうに発展することもあります。

治療法
食生活や排便習慣を改善し、症状を悪化させないようにする保存的治療が中心です。
肛門が狭くなった場合は手術治療を行います。

男性に多い病気です。
歯状線の小さなくぼみから大腸菌などの細菌が侵入し、肛門周囲が化膿したものを
肛門周囲膿瘍といいます。
膿瘍が切開されるか、自然に破れると膿が出てきて、直腸・肛門とつながった管ができます。
これを痔ろうといいます。
肛門周囲膿瘍は肛門周囲が腫れ、38～39℃の高熱を伴います。
痔ろうは膿が出て、下着が汚れます。
膿の出口がふさがると、再び膿がたまり、肛門周囲膿瘍と同様の症状を呈します。

治療法
肛門周囲膿瘍は腫れている部分を切開し、膿を排出します。
痔ろうの場合は手術による根治術を必要とします。